
神楽(かぐら)がグッと近くなる!深く知れる!
今、神楽好きの間で、じわじわと人気が出ているツアーです。また、初めての方も気軽に神楽の文化に触れていただけます。
このツアーでは、大きく4つの体験を通して、より深く神楽を知ることができます。
① 練習風景を観る
近日中に予定されている公演で舞う演目の練習を観ることができます。そのため、参加するたびに毎回違う練習風景が観られるのが魅力です。

この日の演目は、『芝佐(しばさ)』と『大蛇(おろち)』でした。
芝佐(しばさ)とは……
<小林工房サイトより引用>
http://www.kobayashi-kobo.jp/iwamikagura/delegate/shibasa-akugiri.html
前段と後段に分かれ、前段では天の香具山(かぐやま)の榊を守る大山祇命(おおやまづみのみこと)と天津児屋根命(あまつこやねのみこと)の榊取りをめぐって、激しい闘いの場を表現する舞いです。後段では、榊を捧げた代わりに天津児屋根命より授かった十束(とつか)の剣(つるぎ)を振りかざし、悪魔退散のため勇敢なる悪切り(あくぎり)をする舞いです。

鬼になってしまった神様が客席に勢いよく降りてくる演出も本番さながら!迫力満点で、つい「ひえ~~!」「キャーーー!」と声を上げてしまうほどでした。
ただ、鬼さんも優しい一面があるようで、子どものお客さんに対して「いないいないばあ」をしてくれるなどリップサービスもあり、とても楽しませていただきました。


大蛇のクライマックス部分の練習では、蛇頭(じゃがしら)を被っていない「お顔が見えている状態」の団員さんを観ることができ、とても新鮮でした。

<着用するところも見れる!>

4人で息を合わせるタイミングを垣間見たり、一生懸命に舞って息を切らしていらっしゃる様子を見たりして、「やはり重い蛇胴(じゃどう)を操るには体力が不可欠なんだな……すごいな!」としみじみ感じました。

<終わった直後は、息切れしていてすぐにインタビューができないという一コマも。>
②実際に大蛇の蛇頭(じゃがしら)・蛇胴(じゃどう)に触る、持ってみる

多根神楽伝承館に入ると、左側にたくさんの蛇頭がずらりと並んでいました。

団員:「この蛇頭、実はオスとメスがあるんですよ!
参加者:「え~~~!これはオスですか?メスですか?」
団員:「ここ多根神楽団にあるのはメスのみになります。オスの顔の形はもう少しゴツゴツしていますよ」
参加者一同:「へえ~~!(驚き)」
そもそも大蛇にオス・メスの違いがあること自体にびっくり。(恥ずかしながら、全く知りませんでした)

実際に蛇頭を持たせていただくと、ずっしりと重く、5キロほどはあるのではないかと感じました。蛇頭の口元にある、演出用の花火を入れる穴も見せていただくことができました。

蛇胴にも触らせていただきました。

団員:「蛇胴は竹と和紙でできており、使っていくうちに傷んでいくため、メンテナンスをしながら使っています。破れてしまった箇所は、一度剥いで貼り直しているんですよ」
そんな解説を間近で伺いながら、実際に触らせていただく貴重な体験ができました。

<蛇胴の中に入れて嬉しそうな参加者の様子>
③ 団員さんに直接話を聞く

<団長の神在さん>
「県内の石見神楽団体は130を超えるほど存在します。大田市内の神楽団は10の団体が存在しますが、同じ演目を舞うにしても、神楽団ごとに舞やお囃子などが異なり、一つとして同じものはないんですよ!」と団長の神在さんが説明してくださいました。

島根県西部の浜田などの地域に比べ、多根神楽は石見神楽の中でも出雲寄りの地域に位置するため、神事の要素が色濃く残っているのが特徴だそうです。「歩く作法(足運び)も、西の浜田地区に比べると静かで厳かなんですよ」など、地域による違いについて興味深いお話をたくさん伺うことができました。
④ 衣装部屋に入り、実際に使用されている衣装や小物を間近で見る

ステージ裏に案内されると、華やかな衣装がずらりと並んでいました。

キラキラと光る衣装の模様は刺繍なのかなと思っていましたが、実は「金襴(きんらん)」という織物だそうです。表面に金箔や金糸を美しく織り込み、華やかな紋様を表現した高級な伝統的織物で作られているとのこと。代々大切に手入れされて使われています。
衣装は1枚を羽織るだけでなく、鎧などを重ねる場合もあるため、総重量20キロほどを着用して舞うこともあるのだとか……。華やかに見える舞台の裏では、日頃の練習で徹底的に鍛えられているのだなと、改めて感銘を受けました。

衣装の奥にはお面もあり、和紙で作られている現代のものと、木で作られている昔のものを並べて見せていただきました。

実際に手に持つと、和紙製の方が圧倒的に軽く、驚きました。「神楽を舞うには軽い方が動きやすいし、口元も息がしやすいよう工夫されているものが良いですよね」と、参加者同士で顔を見合わせる場面もありました。
裏側を知ることで、さらに興味が湧きハマること間違いなし!
いつもは神楽の華やかな表舞台ばかりを目にすることが多かったため、こうして裏側を深く知ることができ、次回公演を観に行く際は視線が変わりそうです。「大蛇の蛇胴の骨組みの、どのあたりを持って舞っているんだろう?」など、ついつい注目してしまいそうです。
ツアーを企画した「さんべツアーズ」長尾さんの想い

<左:さんべツアーズ 長尾さん、右:団長 神在さん>
2026年よりスタートしたこの「練習見学ツアー」。企画されたさんべツアーズ長尾さんの想いも伺いました。
「まずは石見神楽をより深く知っていただき、そして多根神楽団のファンになっていただきたいです。さらには、団員さん一人ひとりを『推し』としてもらえるくらい好きになってくれる方が、一人でも多く増えてほしいと思っています。そして、『また多根神楽団の神楽が見たい!』と、この三瓶の地に足を運んでいただけたら嬉しいですね」

<太鼓も年季が入っていて立派だった!>
定期公演も月に2回開催!

練習ツアーを体験した後は、ぜひ本番の舞台へ!
会場に響き渡る太鼓や笛の音、そして華麗で迫力満点な舞をお楽しみください。
多根神楽団伝承館定期公演
開催日:2026年5月~12月(第2・第4日曜日)
開場時間:13:00~
開演時間:14:00~15:00
会場:多根神楽伝承館(島根県大田市三瓶町多根)
料金:1,500円(中学生以下無料)
定員:50席
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石見神楽 多根神楽団 練習見学ツアー概要

※このツアーは「国民宿舎さんべ荘」宿泊者様限定のツアーとなります。
開催日時:不定期木曜日開催 20:30~21:30
開催場所:多根神楽伝承館
料金:大人 2,000円(中学生以上)/ 小人 1,000円(小学生) ※未就学児は無料
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